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【イズシカ問屋】美味しいイズシカ(伊豆鹿肉)が食べられるヒミツ《伊豆市食肉加工センター『イズシカ問屋』の話》

味の秘密は『熟成』と徹底した『管理システム』

市内で食べられる、イズシカ料理の数々
市内で食べられる、イズシカ料理の数々

一般的な鹿肉のイメージは『くさい』、『固い』、『クセが強い』など、あまりいいイメージではないと思います。

しかし、イズシカを食べた人はみんな『美味しい!』『全然くさくないし、クセもない』と言ってくれます。

その秘密は、伊豆市食肉加工センター『イズシカ問屋』の徹底した管理システム低温熟成にあります。

 

伊豆市内には、イズシカを使ったジビエ料理を出すお店があり、どのお店で出すメニューも美味です♪ ぜひ一度食べに来てください!

【イズシカ問屋リンク集】

伊豆市食肉加工センター イズシカ問屋(静岡県公式HP) 

イズシカ料理が食べられる店(伊豆市観光情報サイト)

持ち込みは2時間以内!処理スピードが命

イズシカ問屋と、オリジナルラッピング保冷車
イズシカ問屋と、オリジナルラッピング保冷車

イズシカ問屋に持ち込み可能な個体は、捕獲後(止め刺し後)2時間以内で、持ち込みができるのは伊豆市内に在住の『田方猟友会員』または『伊豆市有害鳥獣捕獲隊員』で、更に“搬入研修”を受けた人のみ。

血抜きをした個体を、持ち込み後すぐ内臓を摘出することで肉の劣化を防ぎます。(※胃の内容物が発酵・発熱すると傷みやすいため)

次に、利用価値のある鹿革を傷つけないように皮を剥ぎ、環境負荷の低い電解水を使用し丁寧に洗浄・殺菌後、低温の熟成室へ入れます。ここまで、持ち込まれてから30~40分で素早く処理します。

 

また、『どこで』『だれが』『どのように』捕獲したか、どの肉をどこに卸したかをデータ管理し、もし何らかの異常が見つかれば素早く追跡し回収や出荷停止できるようにシステム化(トレーサビリティー)されています。

低温室にて7~10日ほど熟成させて旨みを引き出す
低温室にて7~10日ほど熟成させて旨みを引き出す
環境負荷の少ない電解水で丁寧に洗浄・殺菌
環境負荷の少ない電解水で丁寧に洗浄・殺菌

低温熟成が味の決め手!うまみ成分UP

余分な筋や脂肪などを取り除く
余分な筋や脂肪などを取り除く

低温で管理された熟成室に吊るして7日~10日間熟成することで余分な水分が抜け、うまみ成分のアミノ酸の数値もUPします。熟成後は肉を解体し、筋などの余分な部分をを丁寧に取り除き(トリミング作業)、そのあと高精度の金属探知機にかけているので、シカの体内に残された銃弾の小さなカケラも見逃さず、安心です。

真空パックした後、すぐに-30℃で急速冷凍するので、解凍後にドリップが出にくく、味が落ちないため美味しく食べられるのです。

 

トリミングの際に取り除かれた筋は、摘出した内臓などと共にペットフードに利用され、なるべく廃棄部分をなくすよう最大限活用しています。

シカによる食被害を防ぐためとはいえ命を頂いているので、少しも無駄にしないよう、肉を食べるだけでなく、皮・角・骨などもアクセサリーや革製品(ポーチ、椅子の張り皮など)にも利用しています。

「イズシカ」は徹底した管理システムで美味しさが保たれている
「イズシカ」は徹底した管理システムで美味しさが保たれている
脂肪分が少なく、鉄分が多いヘルシー食材「イズシカ」
脂肪分が少なく、鉄分が多いヘルシー食材「イズシカ」

※鹿肉は加熱して食べましょう!

ジビエ(鹿肉・猪肉など野生鳥獣の肉)生食は、E型肝炎ウィルス感染の危険が高まるだけでなく、他の肉類と同様にカンピロバクターなど他の食中毒の危険性も十分考えられるので、しっかりとした加熱調理が必要です。 

イズシカ問屋ができたワケ。

伊豆市を含む伊豆半島はシカやイノシシの食害がひどく、ワナや猟銃などで捕獲をしていましたが、捕獲後の処理に頭を悩ませてきました。

今までは、自宅に持ち帰って食肉にしたり、山に穴を掘って埋めたりしていましたが、捕獲数が多くなればそれもままならず、ましてや山の中で穴を掘る作業は想像以上に過酷であり、イズシカ問屋が出来る前は「獲っても処理に困るから・・・」と捕獲をあきらめる人も多い状況でした。

イズシカ問屋はその受け皿として、また『いただいた命を無駄にせずにつないでいく』というコンセプトで開設されました。

シカの増えすぎによる深刻な被害

シカに樹皮をはがされた木は、やがて枯死する
シカに樹皮をはがされた木は、やがて枯死する

シカによる食被害、と聞くと「農家の方が作った、農作物の被害でしょ?」と、思ってしまいがちです。もちろん、農作物のシカやイノシシの被害額は伊豆市だけで年間5,000万円以上と、大変深刻な問題なのですが、どこか『他人事』だと思っている方も多いのではないでしょうか。

 

実は、シカの食害は農作物だけではなく、環境全体への被害も大きいのです。

明治以降シカの数が減り続けたため、捕獲禁止などの措置がとられ個体数が回復しましたが、1980年以降になると今度は増加し、現在のような深刻な被害をもたらすようになりました。

シカの被害で、100年後には森がなくなる!?

保水力のあるブナの森は100年後にはなくなってしまう?
保水力のあるブナの森は100年後にはなくなってしまう?

個体数が増えることで餌が減り、農作物はもとより、食べられるだけの草や樹木の新芽や皮を食べてしまい、今まで山を覆っていた草が無くなり、新しい木は生えなくなりました。

新しい木が生えない、ということは現在ある木が寿命を迎えてしまったらその山には木がなくなるということになります。残っているのは、シカが食べないシダ類や毒のあるアセビなど、保水力の低い植物だけ。

例えば『水を蓄える木・マザーツリー』と言われるブナの森がある天城山ですが、10数年前までは下草や笹の葉が生い茂る森だったのが、近年は下草も笹も全てシカに食べられてしまい、新しい木の芽さえも育っていません。

今生きているブナの木の寿命がくれば、水を蓄えてくれるブナの森は消滅してしまうという危機に瀕しています

ブナの木だけではなく、シカの餌になってしまう全ての植物が伊豆の山から消えてしまうかもしれません。

ブナなどの広葉樹の森は、急激な降雨があっても土砂崩れや土石流を防いでくれます。

天城山周辺の年間降雨量は、4000mmを超えており、縄文杉で有名な屋久島と並ぶほどの降雨量です。

その大量に降る雨を森が受け止め、ゆっくりと天城山の土にしみこんでいきます。

長い時間をかけて濾過された栄養豊富な水は、大量に水が必要になるワサビを育てるのに利用され、また山麓の農産物は森の恩恵を受けています。

その森がなくなれば、土砂災害、渇水など、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。

 

下の写真を見てください。

最初の写真は、何も草が生えていない場所に防護柵を設置した平成19年の写真です。

シカの被害が表面化する以前は、一帯に生えていた笹や下草がなくなってしまったのは地球温暖化のせい?などと言われていましたが、シカの食害ではないか、という事で実験することになりました。

次の写真は、その4年後のもの。

柵の中だけ、木が芽吹き草が生えています。防護柵の外の植物は、すべてシカが食べてしまっているのです。

 

平成23年、防護柵の中だけ植物が育っているのがわかる
平成23年、防護柵の中だけ植物が育っているのがわかる
平成19年、実験として防護柵を設置
平成19年、実験として防護柵を設置

『食べる』ことで出来る環境への取り組み

天城湯ケ島地区にあるイズシカ問屋
天城湯ケ島地区にあるイズシカ問屋

上記のような被害の対策として、伊豆市内では年間約5,000頭のシカ・イノシシを捕獲しています。
捕獲した個体を無駄にせず、いただいた命を最大限に利用するため、『イズシカ』を”食べる”ことが環境への取組みの小さな一歩である、と言えるでしょう。

「伊豆市のみならず、伊豆半島全体のシカが適正頭数に戻り、イズシカ問屋が必要なくなって閉鎖する…そんな日が早く来れば。」と、イズシカ問屋は思っています。

 

【イズシカ問屋に関するお問い合わせ】

伊豆市役所農林水産課林業自然保護スタッフ

[電話]0558-72-9895  [FAX]0558-72-9909

 

イズシカ問屋 パンフレット(PDF:1,898KB)

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