龕附天正金鉱(がんつきてんしょうきんこう)は、四百数十年前の後北条氏の時代に武田金掘衆が掘った竪坑の下へ、天正5年(1577)より横から斜坑を掘り進めたものではないかと考えられている、ほぼ当時のまま残されている伊豆最古級の手掘りの坑道跡です。
伊豆市土肥の湯の川バス停より徒歩2分・駿河湾フェリー乗り場(土肥港)徒歩5分の、国道136号線沿いに看板があり、広い無料駐車場があります。駐車場奥の茶色の建物が受付となっています。
見学料金には、案内説明と金銀鉱石の体験掘りが含まれています。
まずは、昭和40年代前半に発掘が行われた金の『精錬所(せいれんじょ)跡』を見学。発掘が行われる以前より、この地は『釜屋敷(かまやしき)』と呼ばれ、地名としても痕跡が残っていたそうです。
当時、金は水銀を使って抽出する精錬方法だったことや、この土地の残されたさまざまな逸話などを、坑道の入り口までの道程で詳しくお話してもらえます。
案内人の山田さんは歴史に精通されているので、どの話もとても興味深く面白いです。
坑道の入り口に到着すると、その狭さにまず驚きます。手の届く範囲だけを掘っていたので天井も低く、人ひとりが通れるくらいの広さしかありません。ちょっとした探検のような気持ちで中へ進んでいきます(少しドキドキします)。
当時はこの狭い中で松明(たいまつ)を使い、槌で石ノミを打つ音の中、金鉱石を掘り出す過酷な作業が行われていたんですね。
坑内には空気を循環させるための竪坑が設けられ、また天井や壁を波打つように彫ることで空気の対流を起こさせ新鮮な空気を送り、石ノミでカンカンと打つ音を消すためにきめ細かいノミ跡を残すという工夫も施されていました。
一番奥に着くと、そこには壁がアーチ状に穿たれた『龕(がん)』があります。
この坑道の長さは三十三間(約60m)で、当時の掘削・換気技術ではこれ以上掘り進めると危険であるとされており、「これ以上は掘り進めてはいけない」「山の神を鎮める」という意味で、このような『龕』を作ったのだと考えられています。龕には山の神の象徴が彫られています。
『龕』が作られている坑道というのは大変珍しく、全国的に見ても大変貴重なものです。
こちら龕付天正金鉱では遺構の詳しい説明をしてもらえるので、ただ見るだけでは気づけない部分や歴史トリビアや地質などについて知ることができ、見学はとても興味深い時間となりました。
見学が終わった後は、別の場所に移動して金銀鉱脈の手掘り体験ができます(見学料金に含まれています)。
当時のように槌(つち)と石ノミを使って、金銀鉱脈の部分を手掘りします。手掘りした石は持ち帰ることができ、お守りになるということで、これを目当てに来る人もいるとか!
すぐ近くにある観光施設『土肥金山』とは違った魅力がある、知る人ぞ知るパワースポット『龕附天正金鉱』で、地中からのパワーを感じてみませんか?
龕付天正金鉱の『龕(がん)』とは、仏像やご神体を納めるために岩壁を掘りくぼめた場所のことです。 龕のある坑道は他に類がなく、まさに隠れたパワースポットですのでぜひ実物を見にきてください。
また手掘り体験で採れた金鉱石は、お守りとして持ち帰ることができます。こちらの手掘り体験も他ではできませんので、ぜひ体験してください♪
入場・見学案内 料金 |
大人800円 中高生600円 小人400円 団体割引20名以上1割引き (ご案内、手掘り体験料を含みます) |
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所在地 | 〒410-3302 静岡県伊豆市土肥2851 |
電話番号 | 0558-98-1258(FAX共通) |
URL |
https://toi-annai.com/attraction/attraction_facility/tenshoukinkou/ (伊豆市観光協会土肥支部HP) |
駐車場の有無 | あり(無料) |
営業時間 | 8時~17時 |
定休日 | 無休(不定休) |
アクセス |
バスで 修善寺駅より土肥方面行 東海バスで50分「湯の川」下車徒歩2分 フェリーで 静岡清水港~土肥港(65分)~徒歩5分 |