修禅寺の山門の左側の小路を上がって、更に左に入ると『修禅寺彫 松琴 回顧ミニ・ギャラリー』があります。
修禅寺彫の女性作家・鍵和田 松琴(かぎわだ しょうきん)さんは、平成21年に80歳で亡くなるまで60数年以上にわたり、修善寺から奥伊豆にかけて産する良質な孟宗竹に、彫刻刀で経文や仏画・漢文や詩歌などを彫る『修禅寺彫』の作品を作り続けてきました。
修禅寺の門前の一角で『修禅寺彫』を始めた、初代である父の松翠(しょうすい)さんより、技の全てを受け継ぎ、さらに学んだ書や日本画と、天衣無縫な個性により女性らしい優美な作風を確立しました。
松琴さんの生み出す格調高い作品は、書家の植村和堂氏・詩人の草野心平氏など著名人や、修善寺温泉を訪れた多くの観光客に愛されました。
平成21年に亡くなった後は、松琴さんの工房は閉じられていましたが、「このあたりに工房があったはず」と訪れるファンも少なくなかったため、東京に住む長女の柴田みどりさんら、ご家族が工房を改装してギャラリーとして生まれ変わりました。
孟宗竹の表面に万葉の歌、般若心経などを彫った作品をはじめ、20年にわたり賛助協力してきたチャリティー事業『現代名僧墨蹟展』に出展された書画色紙なども展示されています。
特に驚くのは、びっしりと般若心経が彫られた小さなソテツの実の作品。
松琴さんの肉眼と細刀だけで作られたというこの作品は、誰もが驚嘆し、彼女の技の凄さ、素晴らしさを物語っています。
修禅寺彫ギャラリーではDVD『松琴のあゆみ(約7分)』にて、鍵和田松琴さんの彫りの様子なども見ることができ、ギャラリー当主である長女の柴田さんより作品の説明を受けられます。
また、ギャラリーショップでは松琴さんの作品の内、茶杓、お取り箸、しおり、茶合、ペーパーナイフなどの小品、そして書画色紙(複写コピー)など、いずれも数に限りがあるそうですが、販売されています。
修禅寺にお参りした際には、修禅寺彫ギャラリーにもぜひお立ち寄りください♪
【住所】 静岡県伊豆市修善寺965
【電話】 0558-76-3702
【FAX】 0558-76-3758
【URL】 http://shuzenjibori.com
【開館日】 金、土、日、祝日
【開館時間】 午前10時~午後4時