国道136号で西伊豆・土肥方面に向かう道沿いに『伊豆極楽苑』があります。
1986年から営業しているので、この道を通ったことがある人なら「この鬼、見たことがある!」と、思うのではないでしょうか。
こちらは、死後に行くのはどんなところか…ということがわかる場所、地獄と極楽のテーマパークです。
取材に伺った観光商工スタッフも、入るのは初めてなのでドキドキ。
料金 |
【地獄極楽巡り】 |
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所在地 | 〒410-3214 静岡県伊豆市下船原370-1 |
電話番号 | 0558-87-0253 |
URL | |
駐車場の有無 | 大型無料駐車場完備 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
定休日 | 水・木曜日(臨時休業あり) |
チケット売り場の横の玄関を入ると、笑顔の閻魔様が出迎えてくれます。そして館長さんや奥様も笑顔で出迎えてくれます。怪しいおじさんが出てきたらどうしようと思っていましたが、お二人とも物腰柔らかな雰囲気で少々拍子抜け。
玄関ロビーには、施設を訪れた著名人のサインなどが飾られていて(誰のサインかわかるようになっています)これを見ているだけでもちょっと楽しいです。
30年以上経つ古い施設なのですが、お掃除やメンテナンスが行き届いているのでご安心を。かく言う取材スタッフも入る前には、壊れてても直してないような汚い施設なんじゃないかと勝手な想像をしていましたが、全然そんなことありませんでした!
入館して最初に案内された部屋ではまず「人は死んだらどうなるのか」という、死後49日間のに起こることを5分程で説明してもらえます。
善い行いをした人は極楽へ、悪行三昧を繰り返せば地獄へ直行、普通の人は三途の川を渡った後、閻魔様の審判により行き先が決まる・・・
自分はいったい死後にどこに行くことになるんだろう?そんなことを考えながら、地獄めぐりがスタートです。
三途の川・賽の河原から始まり、閻魔様の審判の場所へ・・・
暗い部屋の中に作りこまれたジオラマがあり、リアルな表情をした人形がならんでいます。背景の絵や鬼・人などすべて、本職が画家で芸術家の館長さんの手描きだったり、館長さんとご家族の手作りだそうで、美術的視点で見てもなかなか興味深いです。
閻魔様の部屋では、睨みを利かせた閻魔様の正面に「懺悔台」と「懺悔帳」が置かれています。
懺悔帳をのぞかせてもらったところ、小学生と思われるお子さんの文字で「おもちゃをこわしてごめんなさい。」「ごはんをのこしてごめんなさい。」などが書いてあります。
「悪いことをしてると、死んでからこんな目に合うんだよ!」などと、一緒に来た保護者の方に促されて書いたんでしょうか?ちょっと文字が震えている感じでした。。。
叫喚地獄、焦熱地獄、阿鼻地獄など、全部で8つの様々な地獄が非常にわかりやすく表現され、全てがとてもリアルに作られているので、正直こわいです。お子さんが見たらやはり、「地獄はなんて恐ろしい場所なんだ!こんな怖い目にあいたくない!正しく生きよう」と、思うでしょう。大人でもそう思いますから…
地獄めぐりの最後には「あなたは今後地獄に縁がありません」と年齢性別不詳の鬼さんに見送ってもらえます。
お名残惜しいけど、さようなら。
地獄めぐりを終え、仏様の胎内巡りの先にキレイな観音様が待っていて、先ほどまでとのギャップに、とてもホッとしました。
観音様の前の廊下はちょっとしたトリックで、床が抜けているように見えて面白かったです。
最後は極楽浄土の部屋へ。
天井を見上げると、格子天井には極彩色の鳳凰や天女が描かれていて大変美しく、極楽浄土のジオラマも細かく作りこまれていて、美術的な視点で楽しむこともできました。これを家族だけで制作しているのか…と思うとスゴイの一言。
中の展示物は仏教のお教えがベースとなっているため「宗教色が強い」というイメージを持ってしまうかもしれませんが、芸術・文化・民俗・B級スポット等、別の視点で見てみると大変興味深く面白い施設です。
建物の外には顔出し看板や縁結神社があったり、恋人や友達同士で来たら盛り上がりそうなアイテムがいろいろあります。
夏休みやゴールデンウィークなどの長期休みには、親子連れやカップルの方が多く訪れるそうですが、「今回で〇回目です!」というリピーターが多く、また館内施設はメンテナンスとともに少しずつニューアルしているので、リピーターの方も「あ、ここが変わってる!」「前回来た時と鬼の色が違うよ」という発見があったりして楽しいのだそうです。
「遠方からいらっしゃるお客様が多いですが、地元の方にも見に来てもらいたいです」と館長さんはおっしゃっていました。「怖いもの見たさ」という言葉がありますが、怖いと判っていながら怖いものを見ると、脳内に快楽を感じる物質が出るらしいので、お化け屋敷と同じようにドキドキを求めて気軽に訪れるのもオススメかな、と思いました。