源頼朝も愛した歴史の古い温泉、天城・船原温泉にある、古民家旅館。
館内は昔話に出てくるような雰囲気で、食事は季節の素材を使った鍋料理や、炭火で焼くいろり料理『お狩場焼き』。
その昔、源頼朝が源氏の再興を願い、船原峠で狩りを行った際、獲物を野で焼き酒を酌み交わしながら案を練ったといわれており、それが『お狩場焼き』の起源となっています。
心なごむ、いろりを囲んでの夕食をぜひご堪能ください。
館内の調度品のほとんどは、もともと船原館にあったものばかり。
取材中に、ロビーにあるレコードプレーヤーとオーディオを見つけ、ご主人にお願いしてレコードをかけてもらいました!
これだけで、貴重な体験をしたな…と喜んでいたら、さらに「もっと珍しいものがあるよ」とご主人。
案内された先には、なんと『蓄音器』が!
100年以上前にアメリカで作られたものだそうで、今も現役で音を奏でてくれました。
テレビでしか聞くことがなかった、蓄音機の生の音を聴くことができビックリしたあとに、とても感動して少々涙ぐんでしまいました。
電気を使わず、レコードの溝と針から伝わる音の振動を増幅させるだけで、こんな音が出るなんてスゴい!と当時の技術に改めて敬服しました。
『WATSU(ワッツ)』とは、アメリカのハロルド・ダール氏が考案した『アクアセラピー』です。
通常の『WATSU(ワッツ)』はプールで行われることが多いのですが、こちらの船原館では自家源泉を利用した、水深1.2メートルの『たち湯』で行われます。
約35℃に調温された温泉は、熱いとも冷たいとも感じず、肩まで入ると、肌と湯が溶け合うような気持ち良さ。
たち湯の中で目を閉じてインストラクターに身体を預けると、耳まで水の中なので視覚と聴覚が遮断され、まるでただ一人深い海の中で浮遊しながら瞑想しているような、母の胎内にいるような、とても不思議な感覚に包まれます。
「この『たち湯』は、世界で一番気持ちのよい『WATSU(ワッツ)』が体験できる場所だと自負しています」と、WATSU(ワッツ)インストラクターでもある船原館のご主人はおっしゃいます。
『WATSU(ワッツ)』を目的に船原館さんを訪れるリピーターも多く、ご夫婦やカップル、女性グループに人気があるそうです。
また、同じくたち湯で行われる『天城流湯治法』は温泉の中で行う自己指圧・ストレッチなどセルフケアの方法を教わりながら『自分で治す』力、自己治癒力を高める目的で行われ、40肩50肩、ひじ・ひざなど関節の痛みなどに効果があります。
『天城流湯治法』は『WATSU(ワッツ)』と組み合わせて施術を受けることもできます。
【施術時間】 WATSU・天城流湯治法 ともに30分~1時間の施術(組み合わせOK)
【料金】宿泊者 30分 4,000円~ 、日帰り 30分 5,000円~
天城の地は古くから多くの文豪に愛され、地元の方との交流も多く、また数多くの小説の舞台にもなっています。
船原館の大女将のお姉さん(故人)も、小説家林芙美子と交流があり、小説にも少しだけ書いてもらったというエピソードがあったのだそうで、それをきっかけにギャラリーで以前、『林芙美子展』を開催。単行本になっていなかったその作品は現在も読むことができます。
また、井上靖と交流のあった松本清張の作品には『天城越え』など、伊豆を舞台にした小説もあり、『青の断崖』には船原温泉や船原ホテル(現在閉館)をモデルに書かれたシーンが登場し、ホテルの様子は『どの部屋かまでわかる』ほど細かく描かれているそうで、その縁で『松本清張と伊豆作品』の展示を行っています。
所在地 | 〒410-3216 静岡県伊豆市上船原518-1 |
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電話番号 | 0558-87-0711 |
URL | http://www.funabarakan.jp |
fax | 0558-87-0463 |
駐車場の有無 | あり(無料) |