伊豆市の名滝『旭滝』や、ビール醸造所『ベアードブルワリー修善寺』の近く、修善寺地区の大平(おおだいら)にある『蔵ギャラリーみつはし』さん。
120年ほど前に建てられた蔵を、藍染を中心とした染物作品のギャラリーに改装されており、蔵の中は、数々のオリジナル作品が展示されています。
どっしりした扉があくと、蔵の中には様々な技法で染められた、みつはしさんの作品が展示されています。
藍染はもちろん、薄い緑色のワサビ染め、ピンク色の紅花染め、黄金色のたまねぎの皮染め(!!)など、草木由来の染物作品がたくさん。
また、隣にある体験工房では、予約制で染物体験ができます。
ハンカチ・手ぬぐいなら1時間ほどあれば体験ができるので、伊豆観光の思い出に藍染体験はいかがでしょうか。
三橋さんの藍染は『天然灰汁発酵建て』という、本藍染(正藍)の方法で染められています。
タデアイという植物を発酵させた藍の原料となる『すくも』と貝灰で染め液を作っています。
また、1年ほど経って染められなくなった染液は、材料のすべてが天然素材ということで、畑に撒いて肥料にするなど土に返すことができ、いっさい無駄にならず究極のエコと言えます。
三橋さんに話を聞いて初めて知ったことなのですが、この『天然灰汁発酵建て』で作られた藍染は『色落ち・色移りしない』ということ。
デニムジーンズなど、私たちの身近にある合成染料の藍は色落ちするイメージがあったので、これは目からウロコでした!
三橋さんが考案した技法『修善寺竹絞り』は、折りたたんだ布を2本の竹板ではさみ、糸やひもで固定してから染める方法です。
好みの色に染まるまで、染液につけては空気さらして発色させるのを繰り返して出来上がるのですが、その藍色と模様は何とも言えない深みがあり、宇宙を表現しているようにも見えます。
「藍建てがうまくいったとき、表面が鏡のように輝く瞬間があって、それは本当に美しいんです」と、目を輝かせておっしゃっていた三橋さん。
藍に対する情熱と、地元の自然環境を愛する気持ちから生まれた『修善寺竹絞り』。
合併して伊豆市になった後も、旧『修善寺町』の名前を使って残していきたい、との思いから命名したそうです。
藍には蛇避け・防虫・防臭・抗菌効果があり、肌に優しく色落ちしないことから奈良・平安のころから農作業などの衣服に使用され重宝されてきました。
古来からの藍染は植物や自然の原料からできる染料で、使えなくなった染液も土に還すことができるので、近年注目されている『ボタニカル』(植物の力を生活に取り入れる)に通じるものがあり、これから天然の藍染にスポットが当たって、もっと普及していって欲しいです。
ビー玉・ビーズなどを使って、お好みの『絞り』を施したあと、染めていきます。
教材は、すぐに染められるよう準備してありますので、気軽にご参加ください。
下記の材料のほか、お手持ちの布製品を染めることができます。天然素材のものなら対応できますのでご相談ください。
体験時間 |
約60分~ |
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体験料金(材料費・税込) |
ハンカチ 2,000円 Tシャツ 4,500円~ ストール 3,500円~ |
体験条件 | 2名から受付、エプロン・ビニール手袋持参 |
受入可能人数 | 20名 |
申込方法 |
※3日前まで(ワサビ染めは10日位前まで)にご予約ください。 |
開催日 | 平日(月~金曜)10時~16時 ※土日は要相談 |
所在地 | 静岡県伊豆市大平609 |
電話番号 | 0558-72-4067 |
駐車場の有無 | あり(無料) |
SNS | |
アクセス | [お車で]修善寺道路・大平ICを降りて、国道136号線を下田方面に。
ミニストップ修善寺大平店を過ぎて100m先の左手に看板があります。 [バスで]伊豆箱根鉄道修善寺駅より東海バス 『旭滝口』バス停より徒歩7分 ◆名滝『旭滝』や、ビール醸造所『ベアードブルワリー修善寺』の近くにあるので、染物体験の後の布を乾燥させている間に、見学ツアーを楽しむのもオススメ! |