平成27年12月8日(火)・9日(水)に、台湾の旅行写真家(雑誌ライター、ブロガー)として活躍する夏金剛(シャ・ジンガン)さんが伊豆市の修善寺温泉街・天城湯ケ島地区を取材しました。
台湾での静岡県の知名度向上を図るため、静岡県の事業の一環として取材協力を行ない、静岡県台湾駐在員事務所の王(ワン)さんがこの取材に同行しました。
夏さんの撮る旅行写真はその美しさに定評があり、今回の取材でも写真へのこだわりが随所に見られました。
伊豆市内では、国指定の文化財の宿『新井旅館(修善寺)』に宿泊し、また同じく国指定の文化財の宿『落合楼村上(天城湯ケ島)』、創業350年以上の老舗旅館『あさば(修善寺)』にも訪れ取材を行いました。3軒の宿は以前より夏さんが訪れたいと思っていた旅館で、興味深く取材をしていました。
取材日は両日とも晴天に恵まれた上に、今年は紅葉のピークが例年よりも遅かったため、美しい紅葉の風景を見ることができ「美しい写真を各所で撮影できた」と満足していました。
12月8日(火)に新井旅館に宿泊し、昭和9年(1934年)に建築された天平大浴場や客室、庭園内などを撮影し取材していました。
総檜造りである天平大浴場を支えるヒノキの柱は、建築当時に台湾から運んだものという事を聞くと、夏さんはとても驚いていました。
この柱はとても太いのですが、大径の木の芯を外して製材された強度が強い芯去材(しんさりざい)で造られており、これほどの柱が取れるヒノキはもう、台湾にも日本にもないのだそうです。
翌日の12月9日(水)、修善寺温泉街は着物が似合う街並みという事で、夏さんの奥様がレンタル着物ショップ『街ナビゆるり』で着物に着替え、風情のある竹林の小径や桂橋周辺など、燃えるような紅葉の中を撮影していました。
その後訪れた『あさば(修善寺)』の取材では、どのくらい歴史のある宿なのか、能の舞台はいつ行なわれるかなど熱心に質問し、あさばの厳かな雰囲気の門構えや能舞台の前の池など、日本的な美しい建築を背景に、構図を変え何枚も撮影していました。
また、湯ケ島温泉の『落合楼村上(天城湯ケ島)』では、日本の伝統技術の一つである『組子細工の障子』について女将より説明をいただき、障子の桟で富士山や雪の結晶を表現したものや、天城湯ケ島地区に伝わる伝説にちなんだ女郎蜘蛛の組子細工の繊細さに感動していました。