伊豆市修善寺の紙谷地区で作られていた上質な和紙『修善寺紙』は、三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)と「ねり」の材料トロロアオイを原料とし、横縞のとおったすだれ目と薄紅色が特徴の非常に薄い上質の紙でした。
修善寺紙は古くから全国的に名が知られており、この歴史と伝統のある修善寺紙をなんとか復活しようと、令和になり有志の方が集まり、紙谷和紙工房での活動を始め、和紙を作るだけでなく、紙漉きの体験も受け入れています。
また、紙谷地区のそばにある修善寺小学校の卒業証書は、児童がこちらの工房で自ら漉いて作っています。
修善寺紙の原料は、主に三椏(みつまた)という植物を加工して細かい繊維状にしたものを水に溶かし、それを簀桁(すけた)という道具を使い漉いていくのですが、紙の繊維は水に溶かしただけでは均一な状態になりません。これを均一な状態にするために「ねり」の材料としてトロロアオイ(別名:花おくら)を入れます。
トロロアオイの根を水につけておくと、トロッとした成分が水に溶けだします。これを混ぜることで紙の繊維が水の中で均一に混ざり、紙を漉やすくします。「ねり」は接着剤ではなく、繊維を均一に水の中に広げさせる役目と、原料液が簀の上に長く留まることで、簀桁をゆすって紙の繊維をうまく絡ませるという2つの役目があります。
紙づくりにはたくさんの「水」が必要になりますが、まさに水の恩恵もあり、修善寺紙が栄えてきました。
和紙作りの原料の植物を大釜で煮る、水にさらして表皮を剝ぐ、たたく、皮がきれいになるまで何度も洗う、たたいて白い繊維状にしていく。紙づくりの作業には大量の水が必要になります。
修善寺紙紙谷和紙工房のある修善寺の紙谷地区には、狩野川支流の修善寺川(桂川)があり、また井戸水も利用して紙づくりを行なっています。品質の良い修善寺紙を支えてきた修善寺の水は、和紙作りに適した水質なのでしょう。
所在地 | 静岡県伊豆市修善寺1302-4 |
---|---|
電話番号 | 050-3699-4284 |
メールアドレス |
tactribo5810@gmail.com |
HP | |
SNS |
〔Instagram〕https://www.instagram.com/shuzenjiwashikobo/ 〔note〕https://note.com/tactribo5810/ ※その他、LINE・Facebookもありますので、上記HPでご確認ください。 |
紙漉き体験 |
準備が必要なため、事前予約が必要です。 【予約方法】電話・メール又はInstagram・FacebookのDMにてご予約下さい。 ※予約状況等により、お受けできない場合がございますのでご了承ください。 |