第7回伊豆市を彩る(色撮る)写真コンテスト2016の審査が終了し、先日表彰式をラフォーレ修善寺で行いました。審査員長の選評とともに、各作品をご紹介します。
このページの写真の使用をご希望の方は下記のリンク先を確認してください
作品名 : 高いんだね~
色 : 緑
撮影者 : 南波 進
撮影地 : 竹林の小径
審査員長選評
修善寺温泉竹林の小径でのスナップショット。背後に覗く人々は冬の装いで寒々と見えますが、楽しげに見上げる和服姿の女性陣は皆溌剌と若さに溢れ、寒さなどどこ吹く風。立位の女性の髪飾りが右端の女性の瞳と重なってしまったのが残念。
作品名 : 温故知新
色 : 紅
撮影者 : 大西 宏徳
撮影地 : 修善寺温泉
審査員長選評
漱石の修善寺の大患として知られる旅館(旧菊屋本館)の塀に掛けられた説明文を見入る女性。その背後には台車を押す宅配の青年。その全く係わりのない日常の一コマがスナップショットの妙味。長い歴史に彩られた修善寺温泉の今昔が偲ばれます。
作品名 : 棚田の彩り
色 : 緑
撮影者 : 佐藤 美栄子
撮影地 : 伊豆市湯ケ島
審査員長選評
苗の植え付けを終えて10日〜2週間と言った時候でしょうか。クサビ状に伸びた田の面には鈍色の空が映り見回りの人と相まって長閑そのものです。緑が深まり梅雨間近の気だるくなるような温み、山間の湿度感がつたわります。
作品名 : 駿河湾ブルーモメント
色 : 青
撮影者 : 山口 勉
撮影地 : だるま山高原レストハウス
審査員長選評
だるま山高原レストハウスから望む夕まぐれの富士山。暮れきらぬ空を反映した駿河湾の深々した海面の色合いと山頂を掠めるように流れる雲の流動が印象的です。画面左下隅の迫り上がるシルエットで裁ち落とすと伸びやかさが増します。
作品名 : ジャングルジムに乗って
色 : 黄金
撮影者 : 石川 金吾
撮影地 : 日本サイクルスポーツセンター
審査員長選評
拭ったような青空に綿雲が流れ、木製の黄蘗色に目が染まりそうに照る日差しを感じます。そのジムの天辺に寛いで見えるのは親子でしょうか。その様を心配そうに伺う日傘の女性が画面のアクセントで、強勢な夏の日盛りらしさ盛っています。
作品名 : まわり崎の夕景
色 : 黄金
撮影者 : 鈴木 三興志
撮影地 : 小下田郡境
審査員長選評
駿河湾に傾向いた夕陽が海面を鮮やかなオレンジに染め上げます。イルカの頭を思わせる断崖、その先で恰も嘴で突かれたように小岩が陰を落とします。その明暗が与える印象でしょうか、沈みつつある夕陽と戯れるような暖かさに包まれた光景です。
作品名 : 春の訪れ
色 : 白
撮影者 : 佐藤 泰弘
撮影地 : 小下田
審査員長選評
満開の桜の元、明るく澄んだ青空に山裾は溶け、白雪の山頂が際立つ富士が小さく浮かびます。この日本晴れを収めんと携帯を構える女性が和装で有るのが一層この情景を盛っています。昭和を感じますねー。
作品名 : 真紅の紅葉
色 : 紅
撮影者 : 石井 眞理
撮影地 : 修善寺温泉場
審査員長選評
修善寺温泉街を貫流する桂川の秋模様を端然と画面構成されています。画面右下方の川面の輝きの様子から、日が差し始めた朝方の撮影と思えます。その影響を受けた濃いブルーの川面と艶やかな紅葉の色合いが季節感をよく表しています。
作品名 : 冬が来る前に
色 : 紅
撮影者 : 石井 正彦
撮影地 : 天城山(上り御幸歩道 大見分岐)
審査員長選評
天城縦走路での撮影とのことですが、タイトル通り良い時期に撮影されていますし、見通しの良いポジションアングルを確保されました。ブナの葉がもう少し茂っていたならこの静寂、寂びた風情は表現出来なかったでしょう。季節の移りがしみじみ伝わります。
作品名 : 生命
色 : 緑
撮影者 : 杉山 保利
撮影地 : 天城山
審査員長選評
波状に大きく剥がれた樹皮の様子、根元の幼樹の葉からトチノキと思われます。霧雨に烟る原生林の傾斜面で滑っては為らぬ。と懸命に踏ん張っているような姿に重量感とともに親しみを感じます。勿論、作画テーマの命の繋ぎもシッカリ伝わります。
佳作以外の入選作品(長口宮吉賞・各大賞・各協賛賞)に関しては、下記の関連情報のリンク先をご覧ください。