第8回 伊豆市を彩る(色撮る)写真コンテストは、応募作品400点近くにおよび、厳正な審査の結果、長口宮吉賞をはじめ、全31点の入選作品が発表され、表彰式が行なわれました。
審査員長の選評とともに、各作品をご紹介します。
このページの写真の使用をご希望の方は下記のリンク先を確認してください
作品名 : 波しぶき
色 : 白
撮影者 : 土屋 敏彦
撮影地 : 伊豆市八木沢
審査員長選評
数多くシャッターを切った内の一コマと思いますが、砕けた波がレンズ(実際にかかったことでしょう)を襲うような切迫感が伝わります。もう2段階早いシャッタースピードが切れたら、更にインパクトが加わります。
作品名 : 釣りを楽しむ
色 : 青
撮影者 : 深沢 真
撮影地 : 伊豆市土肥
審査員長選評
波静かな群青の海。それに響き合うような濃厚な青空には吹き流しのような巻雲が渡り行く。岸壁の釣り人の後ろ姿にそれぞれの人なりが現れているように思え、この深い青空のもと長い夏のいち日を味わう、これまでの来し方が投映しているように思えます。
作品名 : 司令塔
色 : 緑
撮影者 : 藤井 昭浩
撮影地 : 下り八丁池歩道沿い
審査員長選評
タイトルで作品の本質的評価が左右されることはありません。が、写された内容を読み取る手掛りとなり、味わいの深化に深くかかわります。森の中心に聳え、空に向かい大きく樹冠を広げた伸びやかなブナの姿。正にこの森の司令塔的存在に写ります。
作品名 : わさび田
色 : 緑
撮影者 :村田 武雄
撮影地 : 伊豆市筏場
審査員長選評
わさび田内に林立する木立の総てが葉を落とした寒中に撮影されたことで、常にもまして広々見えるとともに、透明感が高く鋭くて硬調な冬日の印象が強調されています。特に、中央を貫流する細い水路と黒い日除けの反射に現れ、冬ざれの感が伝わります。
作品名 : 水景の美
色 : 白
撮影者 :大塚 美代子
撮影地 :萬城の滝
審査員長選評
現在では裏からは見れなくなってしまった萬城の滝。しかしながら、上流でそのポイントを探し当てて撮ったのでしょうか。涼やかでいつまでも耳奥に残る滝の響きが届きます。画面左側の流水の階調を0.7EV程暗く落とすと画面が落ち着きます。
作品名 : 風の竹林
色 : 緑
撮影者 :竹下 清
撮影地 : 竹林の小径
審査員長選評
完全には暮れきらぬ薄暮の空を吹き払うように竹林全体が流れて描写されています。周囲から一段とトーンの落ちた背景に外灯を重ね、徐々に暮れていく竹林の小径の薄ら寒さ、薄暮の空にヒューヒュー鳴く竹林のうら寂しいさが伝わります。
作品名 : 深紅に染めて
色 : 紅
撮影者 :清野 博
撮影地 :旭滝
審査員長選評
晩秋から冬の季節は年間で最も水量が乏しくなる渇水期です。画面の左右に取り込まれた目に艶やかな紅葉の豊かさと対象的に、やせ細った流水が幅広となった岩面に行き場を探ってさまよっているように写ります。モミジの艶やかさと消え入りそうな流れの対照に情趣を感じます。
作品名 : ナイスカップル
色 : 紅
撮影者 : 村上 雅巳
撮影地 : 伊豆市土肥
審査員長選評
撮影地が落日撮影の人気スポットであることで大いに損を被って(既視感を否めません)います。夕映えに染まる岸壁に寄り添う、カップルの半シルエットがとても叙情的な上、落日と重なる鳥影が一遍の詩です。縦位置構成とすれば文句なく上位入賞です。
作品名 : 紅葉ライトアップ
色 : 紅
撮影者 : 増山 慎太郎
撮影地 : 修善寺虹の郷
審査員長選評
カメラの高さを目高からやや低くして撮影されたと思われます。それにより、照明に照らされた石畳があたかも雨に濡れ光るような印象です。その石畳を覆うように垂れた豪華な紅葉が照明の光量を反映し、適度なグラデーションを織るのも情趣を深めています。
作品名 : 紅葉のせせらぎ
色 : 紅
撮影者 : 星野 郁男
撮影地 : 修禅寺温泉街
審査員長選評
修善寺温泉街を貫流する桂川に掛かる楓橋の袂に聳え、晩秋の頃鮮やかに川面を彩るヤマモミジ。修善寺温泉のシンボリック的景観と言えます。彩りのピークは過ぎているものの川面の乱反射に映え、季節の深まりがヒシヒシと迫ります。
佳作以外の入選作品(長口宮吉賞・各大賞・各協賛賞)に関しては、下記の関連情報のリンク先をご覧ください。