第5回伊豆市を彩る(色撮る)写真コンテスト2014の審査の結果と、受賞作品のご紹介。
審査員長の選評とともに、各作品をご紹介します。
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作品名:夕景と夜景の富士山
色:富士山
撮影者:中西 宏嘉(伊東市)
撮影地:遠笠山付近(111号線)
審査員長選評:
天城高原から撮影されたそうですが、富士山後方の染まり具合から推察すると、6~7月頃の撮影と思われます。季節は異なりますが、目にした際、夕焼け空が北斎の「凱風快晴」と重なりました。富士山の優美な山容を讃える言葉の一つに「八面玲瓏」の表現があります。
どの方向から眺めても端正そのものである様子ですが、正に、神聖な神々しさに接する気持ちとなるシーンです。手前のシルエットの山並みが効果を生み、富士山までの遠近をよく醸しています。
作品名:ワインの香り
色:富士山
撮影者:露木 義光(沼津市)
撮影地:中伊豆ワイナリー
審査員長選評:
伊豆ワイナリーでのスナップショット。シンプル且つ透明感に満ちた画面が大きな魅力です。大きなぶどう桶に見入る和服の女性をポイントとして、彼方に望む富士山との遠近バランス、主従の係わりを明確にした画面構成の上手さが光ります。
桶の材質感と適度な陰影、女性の佇まいのよさも魅力です。
作品名:夕暮れ
色:紅
撮影者:望月 信明(静岡市)
撮影地:土肥海岸
審査員長選評:
夕焼けは、季節や天候、夕焼け時の雲量やその濃淡の影響を大きく受けます。雲の濃淡形状ともに年に数度と無い素晴らしい条件を充分に活かして、見事なシーンを再現されました。
シルエットを包むように取り込んだ、松葉の陰が一層夕映えの色彩を際立たせています。
土肥の浜辺に寄せるさざ波の調べが伝わる余韻のある情景です。
作品名:黄金の田
色:黄金
撮影者:松下 博(伊豆市)
撮影地:湯ヶ島
審査員長選評:
正に、「田植え時」の季語に相応しい詩情に溢れたシーンです。光と陰、面と曲線、写真映像に大切な構成要素を見事に組み合わせ、情感豊かに季節を歌い上げました。
このように、端正な映像はこのカメラポジションが僅かずれても、バランスが崩れてしまいます。農夫と夕照、畦のシルエットの係わりが絶妙です。
作品名:秋天
色:青
撮影者:清野 博(三島市)
撮影地:だるま山高原レストハウス
審査員長選評:
だるま山高原レストハウス付近より望む富士山の大観。手前の木立や富士山の様子から春まだ浅い時期に撮影された模様です。パノラマワイドの画面から、富士の上空をゆったり移動する形のよい綿雲と白銀の山容が響あい、大気の清浄と伸びやかさを見事に表現されますた。気分爽快な作品です。
作品名:霧の原生林
色:緑
撮影者:渡辺 玲子(松崎町)
撮影地:伊豆山稜線歩道
審査員長選評:
梅雨の伊豆山稜線と思われますが、深い霧に覆われたブナの原生林の静寂と潤いが画面に満ちています。梅雨を現す季節の言葉に「青梅雨」がありますが、正に、その言葉を彷彿するように、瑞々しい色彩の世界に誘われる心地よさが漂っています。
見通しのよい林床にすっくと聳えるブナの存在感をよく引き出しています。
作品名:恋人岬の二人
色:紅
撮影者:加藤 智子(富士市)
撮影地:恋人岬
審査員長選評:
シルエットのカップルとモニュメント、空を染める夕映え、と、三要素をバランスよく組み合わせ纏められました。シルエットながら、強い輝きを放つ夕照に見入るカップルの心境が伝わる心地となります。天部を押し上げるような雲の動感と相まって、海から吹く風と潮の香りに包まれるようです。
作品名:明日に向かって
色:黄金
撮影者:綾木 恵子(静岡市)
撮影地:土肥
審査員長選評:
黄金色に輝く夕日を背に元気にジャンプ。左右の足を跳ねる女子とのタイミングもピッタリです。画面左上部に取り込んだ特徴のある岬のシルエットから、土肥の浜辺と察せられます。波打ち際のハイライトがとても効果を上げており、より三人のシルエットラインを引き立てました。
作品名:涼景
色:白
撮影者:大塚 美代子(静岡市)
撮影地:浄蓮の滝
審査員長選評:
撮影の時間帯がよい効果をもたらしました。滝の上から林間を照らすもの和らいだ逆光となり、滝壺の周りが青みを帯びた日陰となり、その影響を受け、滝水の色合いがより白白と優美に描写されました。滝壺の水煙も浄蓮の滝の幻想感を盛っています。
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