第5回伊豆市を彩る(色撮る)写真コンテスト2014の審査の結果と、『佳作』受賞作品10点のご紹介。
審査員長の選評とともに、各作品をご紹介します(順不同)。
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作品名:空と
色:青
撮影者:鳥海 有紀(伊豆市)
撮影地:狩野川記念公園
審査員長選評:
なんとも言えないロマン、ストーリー性のあるスナップショットでとても訴求力のある作品です。小さな二人のシルエットから様々な交感が伝わる思いとなります。惜しまれるのは、画面左下隅の木漏れ日がやや強いことです。カメラポジションの選択でこの部分は除けるはずです。
作品名:色づく狩野川
色:青
撮影者:下村 俊明(伊豆市)
撮影地:雲金橋
審査員長選評:
色合いが明快且つクリヤーで秋の好日かんを上手くひきだしています。点景ながら、美しく翠明な川面を煌めかせる二羽の水鳥が良いアクセントとして目を引くとともに、狩野川のスケール感を現しています。
作品名:里山の恵み
色:緑
撮影者:小播 勲(伊豆市)
撮影地:下船原
審査員長選評:
渓流に明滅するホタルの光跡を多重露光されたと思いますが、画面に現れた光跡の配置バランスがよく纏まりがあります。プリントの判断では、渓流と周りの草むらを後0,5EV暗い再現とされると、よりホタルの飛ぶ幻想感が増すでしょう。
作品名:睦まじき農
色:緑
撮影者:中西 茂子(静岡市)
撮影地:湯ヶ島
審査員長選評:
稲の成長具合から7月上旬ごろの情景でしょうか。水面が少し覗けるところが梅雨時の季節を表しています。湯ヶ島の荒原棚田の環境情趣をよく伝えています。ただし、二人の衣装佇まいがあまりに身綺麗で、演出が窺えるのが佳作に留まった所以です。
作品名:森の王様
色:緑
撮影者:藤井 昭浩(松崎町)
撮影地:伊豆山稜線歩道
審査員長選評:
伊豆山稜線つげ峠の大ブナが対象と思われます。カメラアングルと映り込み範囲が的確で、空に向かい太い枝を一杯に広げたブナのスケール勇壮さを見事に現しています。
画面が賑やかと成りがちな光線状況ですが、その部分を上手くカバーしてフレーミングされ、季節感を現しています。
作品名:歓喜の歌
色:紅
撮影者:鈴木 由美子(沼津市)
撮影地:達磨山
審査員長選評:
マメザクラの群れる西伊豆スカイラインの情趣をよく伝えています。撮影の時間帯が絶好で、なんとも言えぬ幽艷な色彩再現が魅力です。但し、メインの花群のインパクトがやや弱いので、天部を少し詰めるイメージでもう少しズームアップしてフレーミングを調整されるとよいでしょう。
作品名:山門
色:紅
撮影者:小柳津 友次(静岡市)
撮影地:修禅寺
審査員長選評:
早朝の逆光でシルエットと なった修禅寺の山門がとても効果的にフレーミングされ、門扉に囲い込まれた光景が晩秋の雰囲気そのものです。橋を渡る人物も点景ながら、良いタイミングで シャッターされています。吐く息までクッキリ描写されていて、冷えた早朝の感じがよく伝わります。
作品名:漁火
色:紅
撮影者:村上 雅已(静岡市)
撮影地:土肥海岸
審査員長選評:
なんとも言えぬ心に染み入る夕焼け空の色合いです。暮れなずんだ空の色合いを投映した海面の、穏やかな揺らぎも心を落ちつかせます。
明るい照明の灯る船はイカ漁でしょうか。とても、リリシズムに富んだ映像です。シルエットの波破堤との係り、バランスを考慮すると、漁船と波破堤との間隔をもう少し開けるべきでした。
作品名:岩泳ぐ
色:黄金
撮影者:杉山 保利(東京都)
撮影地:滑沢渓谷
審査員長選評:
撮影のモチーフは天城の滑沢渓谷ですが、みな一様に見える岩面の中から形の面白い部位を見つけ出されました。自然の造形を擬人化した選択のよさが光ります。濡れた岩肌の光沢と周りの木立の映り込みの金属的な緑が絡み、生き物のようです。
作品名:光の軌跡
色:白
撮影者:筒井 章(伊東市)
撮影地:大平柿木
審査員長選評:
富士山とシルエットの尾根 の係りから西天城高原線からの夜間撮影と思われます。とても幻想感のある映像で、思わず、日本版の未知との遭遇をイメージしてしまいます。欲を言えば照明 に浮かぶ道路の配置をプリントの位置で、後、4センチ程左へ寄せた配置とすれば、一層富士山との遠近、バランスの整った映像となります。
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